〒709-0721 岡山県赤磐市桜が丘東6-6-576
※当サイトでいう「水溶性」とは光の屈折率から判断した水分の中でしっかり拡散した水溶解性が非常に高い「易溶性」の事を指します。
ただ「水に溶ける」ということを水溶性と説明すると混乱を招くからです。
植物や菌類、細菌など自然界に広く分布しますが、アガリクスや霊芝などに含まれるβグルカンは、ベータ型のつながりを持つベータグルカンで、主鎖1に分岐3の分子構造をもつ「ベータ1.3グルカン」と呼ばれ、強い機能性を持つとして1990年ごろから注目が集まってきました。
ベータ1,4グルカンが由来に関係なく全てセルロースという名前を持つのに対し、ベータ1,3グルカンは由来によって様々な名前が与えられています。
また、通常はベータグルカンと言った時には通常ベータ1,3グルカンのことを指しますが、先に述べた機能性をまったく持たないセルロース(ベータ1,4グルカン)なども、科学的な分析ではすべてベータグルカンとして計測されてしまうので、食品(健康食品を含む)の栄養表示にあるベータグルカンすべてをベータ1.3グルカンだと誤認しないように注意が必要です。
現在、ベータグルカンの中でも、もっとも機能性が確かで注目されているのは「ベータ1.3-1.6グルカン」です。
ベータグルカンはそのカタカナの呼び名が示す通り元々アメリカで発見された物質です。
ベータ1,3グルカンもアメリカの研究陣(米Tulane医科大学のNicholas DiLuzio博士(1926-1986)等の研究陣だと言われている)が酵母細胞壁から発見した,糖質分子(六単糖、Hexose)が1–>3方向で水素結合した3重螺旋構造の鎖状物質を名づけた言葉です。
炭素配置の右回転方向を表す”D”を加えて、日本ではベータ1,3Dグルカンと呼ばれることもあります。
糖の分子が1–>3結合だけではなく、酵母細胞壁からベータグルカンへの分離抽出過程で1–>6方向で水素結合したいわゆるβ1,6グルカンと呼ばれる分子の鎖も存在するため、日本ではベータ1.3/1.6グルカンなどと呼ばれることもあります。
このことから、ベータグルカンは通常は「ベータ1.3グルカン」を指しますが「β1.3グルカン」を含有した食品(健康食品)を「β1.3/1.6グルカン含有」と表示しても法的な問題はありません。
が、通常市販されている食品(健康食品を含む)、ハナビラタケ、レイシ(霊芝)などは分岐1.6の分子の鎖を、ほとんど持たず、パン酵母の細胞壁に含まれるβ1.3グルカンは、3分の1ほどにしか分岐1.6の分子の鎖を持ちません。日本に馴染みの深いアガリクスは種類によって様々ですがβ1.3/1.6グルカンの一種、「ラミナラン」を持ちます。
わずかにアガリクスの品種の中でも「姫マツタケ」というキノコに含まれるβグルカンは主鎖1.3分岐1.6のβ1.3-1.6グルカンを多く含むことから希少価値がうまれ、比較的高価で取引されていますが、それでもパン酵母や黒酵母発酵液と比べると微量のβグルカンしか持ちません。
上部写真はアガリクス茸
米国などでは機能性研究対象となっているのは酵母saccharomyces cerevisiae(いわゆるイースト菌やビール酵母)の細胞壁から抽出されたβ1,3グルカンであることが多くみられます
それは原料母体となる酵母(パン酵母、ビール酵母等)は世界各国で数千年にわたる食菌としての歴史に支えられて相当量が確保でき、そこから抽出されるベータ1,3Dグルカンという物質が生体に及ぼす機能性についても相当数の実験結果があります。
黒酵母発酵液から産生された水溶性ベータグルカン(アルコール抽出させて目に見えるようにしたもの )
一方において、現在では酵母から抽出されるベータ1,3Dグルカンという物質の特定と その物質の及ぼす作用機序については未知な部分が多く、さらなる特定方法と定量分析方法の早期確立、統計的実験以外にヒトを対象とした実際の経時による安全性と作用機序の立証などが望まれています。
当サイトでご紹介している黒酵母発酵液は上記のパン酵母やビール酵母などとは違い発見されてまだ30年であること。
また食菌としての歴史がなく、発見されたのが日本であるのでまた世界的には認知度が低いことなどが原因で、研究も日本国内企業が最先端の状態です。科学では世界最先端の我国内で発見、研究、そして世界をリードしていく素材であることは大変うれしいことです。